相続した実家の空き家、38.6%が方針未定とする調査結果


何が起きた?
GMO TECHの調査として、相続した実家が空き家になっている人のうち、38.6%が今後の方針を決めていないとする結果が公表されました。売却、賃貸、利用継続、解体などの方向性を定めないまま、空き家を抱えている層が一定数いることを示す内容です。
ただし、回答者数、調査時期、対象地域、空き家の定義、相続後の経過年数は確認できません。38.6%を全国の相続空き家全体の実態と直ちにみなすのではなく、調査条件を確認したうえで受け止める必要があります。

なぜ重要か?
相続した実家は、所有者が複数いる場合や、建物・土地の状態が分からない場合に、方針を決めにくくなります。決めないこと自体が直ちに問題とは限りませんが、売るのか、残すのかによって、先に集める情報は大きく変わります。
最初の判断材料は、登記上の名義、共有者の有無、固定資産税の通知、建物の傷み、利用希望です。査定額だけで結論を急がず、相続人間で誰が管理し、いつまでに方向性を決めるかを整理すると、話し合いの土台になります。

買主への影響は?
買主にとっては、相続空き家が売却に出る可能性を考えるきっかけになります。ただし、今回の数値から物件数の増減や、特定地域での売り出し増加までは読み取れません。購入候補として直ちに有利になるという意味でもありません。
相続物件を検討する際は、売主が単独で処分できる状態か、共有者間の合意があるかを確認したいところです。建物を使うなら維持状況も重要です。土地として考える場合でも、建物の扱いや引渡し条件を個別に確認することが欠かせません。

売主への影響は?
相続した実家を売る可能性がある所有者は、方針未定の段階でも売却条件を把握しておくと検討を進めやすくなります。まずは名義と共有関係を確認し、売却に関わる人を明らかにすることが先決です。相続人の認識が異なると、売る時期や価格の話に進みにくくなります。
価格だけでなく、建物を残して売るのか、土地として扱うのかも検討点です。今回の調査には物件の状態や成約状況は示されていません。固定資産税の書類、登記情報、建物の現況をそろえ、個別の査定条件を比べると判断しやすくなります。

投資家への影響は?
投資家にとって、相続空き家には取得機会がある可能性を示す話題です。しかし、38.6%という回答割合だけでは、売却予定物件の数、価格、収益性、地域別の供給は分かりません。投資判断を裏付ける市場データとしては情報が足りません。
個別物件では、所有者の売却意思だけでなく、権利関係と建物の利用可能性を確認する必要があります。空室期間や修繕の履歴、賃貸需要、出口となる売却先も、この内容からは判断できません。取得前に物件単位の収支とリスクを分けて確認することが重要です。

所有者への影響は?
現在空き家を所有している人は、方針が未定であることを珍しい状態と考えすぎる必要はありません。一方で、先延ばしにするなら、誰が連絡窓口となり、建物と敷地を誰が見ているかは明確にしたいところです。相続人が複数いる場合は、考え方の違いも早めに共有できます。
まず、登記名義、固定資産税の負担者、共有者、建物の状態を一覧にすると状況をつかめます。そのうえで、住む、貸す、売る、維持するという選択肢ごとに必要な情報を集めます。今回の結果だけでは最適な方針は決められないため、ご自身の物件の事情に照らして整理することが大切です。